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2012-06-13 Wed

INTEROP TOKYO 2012 に行ってきた [インターネット][OpenFlow][IPv6]

幕張に行ってきた。

http://www.interop.jp/2012/

10:30から17:00までずっと幕張にいたよ。
すごく面白かった。
最初は午後から行けば良いや、と思ってたんだけど、同僚から、
先着2000名に抽選でiPadが当たる、と聞いたので並んださ。
外れたけど。


○OpenFlowバブル
---
去年はNECの隅のほうで宮永さんがニコニコしながら
喋ってただけだったのに、今年は大ブレイク。
専用のコーナーが設けられ、参加企業がたくさん。
しかも各企業のアプローチがそれぞれ異なる。
いろいろ説明を聞いたけど、OpenFlowは本当に面白いね。

Brocadeのブースでは、MACアドレス、IPアドレスが同じスイッチ4台で、
ネットワークを組んで、トラフィックを流す、みたいなことをしてた。
ポート番号をルールに組みこむとこういう変態的なことが可能になる。
具体的なトポロジはあきみちさんがブログに書いている。

OpenFlow ShowCase、Brocadeの展示内容 [Interop Tokyo 2012]
http://www.geekpage.jp/blog/?id=2012/6/14/1

OpenFlowになっても、MACアドレスは必須だと思いこんでたんだけど、
そんなことはないのね。
IPアドレスを、Identifierにしちゃって、Locatorは別に定義して、
OpenFlowで経路を作ってやるとかもできる?とか妄想しちゃえるのか。
OpenFlowって何でもありだな。

関連) LISP - Identifier と Locator の説明としても読める
Wikipedia - Locator/Identifier_Separation_Protocol


NTTデータの、OpenFlow管理ソフトウェアもちゃんと出展してた。
関連) 6/11の日記--> [2012-06-11-3]
Hinemos なのね。
ただ残念ながら、一般的なネットワーク機器に設定を投入する、
というようなところは未実装らしい。


NTTコミュニケーションズの、BGP Free Edge も面白かった。
PEルータのBGP機能をコントローラにオフロードすることで、
PEルータをBGPルーティングができるルータから
安価なOpenFlowルータに置換する、という発想。
VPN回線向けを想定しているみたいだけど、ちゃんとうまく動くのであれば、
経路が爆発してるインターネット経路のエッジルータも、
安価なOpenFlowルータに置き換えられる?、とかも思った。


ちなみにどのぐらい安いか、なんだけど、

OpenFlowスイッチ pica8
http://www.pica8.com/

このへんのものだと、10G×48portの製品が、120万円ちょっととか言ってた。
オープンソースのソフトウェアを組み合わせることで安価にできた、
ってことだけど、おそろしく安いわ。


NECは、OpenFlowに関してはなんでもできそうなので説明は省略、と。
去年からやってるしね。


○データセンター向けファブリック
---
ファブリックって何?、って聞かれると、バズワードだよ、
って答えるしかないかと思ってたけど、ちゃんとwikipediaには
それっぽい説明があるのね。

Wikipedia - イーサネット・ファブリック

書いた人偉いな。
編集履歴を見るとブロケードの中の人が書いてるのかな?w


そのブロケードのVCSファブリック・テクノロジはやっぱり良い。

VCS ファブリック・テクノロジ
http://www.brocadejapan.com/solutions-technology/technology/vcs-technology/overview

TRILLを使っていて、

Wikipedia - en:TRILL_(computing)

スイッチにユニークIDを設定しさえすれば、ケーブルで繋げば勝手に繋がる、
回線容量が足りなければケーブルの本数を増やせば勝手にバランシングしてくれる、
冗長化も接続本数を増やせばOK、
たしかに楽そうだ。
売れてるのがわかるわ。

現状の制限として、VLANの個数が2000個程度しかサポートしてないらしいけど、
その制限もなくなる予定とのこと。

ちなみにTRILLを作った人は、STPを作った人でもある。

参考)
インターネットの母は Radia Perlman --> [2012-06-07-12]


Juniper の QFabric は完全な独自実装。
複数台のルータを太いバックプレーンを繋げて、全体を1台のルータとして扱う、
というような思想で作られている。

Juniper の Virtual Chassis も複数台のスイッチを1台のスイッチに見せるので、
なんだ Virtual Chassis と同じ?、って思ったんだけど、
実装の方法が違ってる。
Virtual Chassis は同じスイッチを並べて繋いで統合するんだけど、
QFabricの場合は、ラインカード、バックプレーン、ルーティングエンジンが
完全に分かれていて、それを繋いででっかいルータを作るイメージ。

そういうことすると嬉しいの?、って思う人は以下を見ると良いかも。
管理する側からすると結構嬉しいのよね。




CISCO の Unified Fabric は基本は TRILL なんだけど、
実際にどう使われるかを想定した上での拡張実装、がされている印象。

Cisco Nexus のでっかいものの上で動かすのが基本ではあるけど、
Juniperと同じようにスイッチを統合することを考えて、
小さいスイッチを、リモートラインカードのように扱えるようになっている。
そのスイッチはコンフィグを書かずに設置していくことも可能。
某巨大SNSの要望でそういう機能が実装された、って言ってたけど、
きっとFacebookなんだろうな。


○光多重化がすごい
---
Infinera の光多重化装置のスペックにびっくりした。
100G×80波。
伝送装置も進化してるんだねえ。

Infinera
http://www.infinera.com/


○ネットワーク機器でも Lightweigt Language が使える
---
ネットワーク機器上でスクリプト言語を動かすのが普通になってきた。

Brocade では Perl を動かしていた。
実際にコードを見たけど、、、、
やっぱりPerlのコードってなんか美しくないって思ってしまった。

CISCO Nexus では Python が動くようになってた。
IOSでは動かないのがちょっと残念。
(追記) IOSではTclが動く。

Juniper は JunoSCRIPT
Yamaha は LUA
F5 は Tclベースの iRules
A10 は Tclベースの aFleX

ここまで流行ってるんなら、LLイベントで取り上げてみるのも面白いかねえ。


○社内の認証サーバでID管理しながら、SaaSを利用する PingFederate
---
データは、SaaS上に置くのは仕方ない、
でもコンプライアンス的に、IDは外に出したくない、
というような場合に最適な製品があった。

というか、ビジネス向けSaaSにそういう仕組みがあったのを初めて知った。

PingFederate クラウドアイデンティティ連携ソフトウェア
http://www.macnica.net/pingidentity/


○いけてるラック&アクセサリ
---
CenterPEERという会社が面白かった。

CENTERPER
http://www.centerpeer.com/

- 外から温度上昇がビジュルアル的にわかるラック
- 使ってるというのがわかるOAタップ
- 1Uに格納できる椅子
- 1人でマウントできるラックの棚板

現場的にグっとくる。

知らないラックメーカーだな、と思ったら、2007年創業と新しい会社らしい。

Awardにエントリされてたので、なんかすごいの?、
とブースにいたお姉さんに聞いてみたところ、
しどろもどろな感じで可愛かった。
新入社員らしい。
いぢめちゃ駄目だと思った。


○ゼロディアタック対応型WAF
---
DTS株式会社
http://www.dts-1.com/top.html

外人さんが、MIKOSHI、と妙な日本語を連呼するので立ち寄ったら、
去年Awardを取ったというWAFの資料と関連論文を貰った。
後で読んでみるです。


○老舗グラフィックボードメーカーが作るネットワーク機器
---
ELSA
http://www.elsa-jp.co.jp/

この会社はグラフィックカードメーカーとしてはかなり老舗な有名メーカー。
グラフィックカード作りから、GPGPU 分野に進出して、
GPGPUを利用したクラスタコンピューティングのために、I/O仮想化機器作って、
クラスタコンピューティングのために、低レイテンシーの10/40GbEのスイッチ作った、
というストーリーを説明してもらった。
華麗な事業展開だと思った。


○ShowNet
---
この辺を読むと良いらしい。
ネットワーク図が今年も恰好良い。

http://interop.jp/2012/shownet/index.html

内容はてんこ盛り。


○デジタルサイネージ
---
同時開催のデジタルサイネージジャパンも眺めてきた。
メディアアートっぽい展示が多くて面白かった。
コミュニケーションの道具としてのコンピュータの可能性は
まだまだあるなあ、と思った。


○ビクターのスピーカーに感動
---
全然 INTEROPとは関係ないんだけど、
会場の隅でビクターのオーディオシステムのデモをやっていた。

ウッドコーンオーディオシステム ビクター
http://www3.jvckenwood.com/audio_w/woodcone/index.html

良い音が聞こえたので立ち止まってしまったんだけど、
本当に良い音が出るのでびっくりした。
スピーカーを楽器のように作るっていうアイディアは素晴しい。
感動すらしたよ。
音楽をやってる人は聞いてみると欲しくなるぞ。


○総括
---
すごく面白いから行くと良いぞ。
って金曜までだけど。

光スイッチの最近の事情を聞く [ネットワーク]

INTEROPの合間に、森田さんとお茶。
世間話をしながら、最近の光スイッチの動向について聞いた。

- 技術は進歩しており、伝送量も増えている。
- 光を溜めておく技術はまだない (NICTの人も言ってた)
- ルータのバックプレーンで使われるようになるはず。今年はまだ出てないけど。
  いろいろなところに納品している。
- 韓国や中国との競争が大変。

10年前、10年後は光スイッチが主流になるんだろうな、と思ってたけど、
残念ながらそうはなってないのよね。
光の扱いはまだ難しい上、電気の性能がどんどん上がってる。

それでもルータのバックプレーンなんかだと限界は見えてきているように思う。
光はサーキットを作っておいて、そこに流す、という形でコントロールするしかなく、
コントロールプレーンとデータプレーンが分離している。
ひょっとすると、OpenFlowと相性が良いのかもな、と思った。

関連)
富士通研、転送速度25Gbpsを実現する小型光トランシーバ技術を開発 --> [2012-06-01-2]

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